韓国外交部の報道官は記者団とのブリーフィングで、日本の衆院選の結果に対するコメントを求められると、「他国の選挙結果について評価することは適切ではないと思う。政府は日本側と緊密に疎通する中で、韓日関係の肯定的な流れを続けていくために努力していく」と言葉を慎んだ。
ただ、メディアには政府関係者らの本音が漏れだしている。
日韓関係の停滞を懸念する声
「日本の新内閣発足とともに日本政府が韓日関係で前向きな態度を見せたり、大胆な変化を推進したりすることを期待したが、今回の選挙結果で新しい変化を作る動力が消えると見られる」
「歴史問題など韓日関係と直結した事案は日本政府の支持率に大きな影響を与える変数であるため、苦境に陥った石破内閣が韓日関係懸案に柔軟になりにくくなった」
韓国の外交専門家たちも似たような意見を述べている。
峨山政策研究院のチェ・ウンミ研究委員は、日刊紙への寄稿を通じて、「党内の支持基盤が弱い石破首相が、選挙でも影響力を発揮できないため、所信に沿った政策を展開するとは期待し難くなった」とし、「韓国に対する政策や基調が変わることはないだろうが、韓国が期待している“より進展した姿”を見せるとは思えない」と分析した(『毎日経済』10月28日付記事 「日本自民党選挙惨敗…韓日関係の変化への備えを」)。
申珏秀(シン・ガクス)元駐日大使は『東亜日報』とのインタビューで、「意志はあるが余力がない状況になった。石破首相は、過去の歴史について、自民党内非主流として率直な立場を示してきたため、韓国としても期待していたが、今は(前向きな措置の)実現が難しくなる」と分析した(『東亜日報』10月29日付記事 「リーダーシップ打撃の石破、韓日問題改善の意志にも余力がない状況」)。