韓国人から見れば立憲・野田代表は「反韓政治家」

 自民党と公明党とで衆議院の過半数を確保できなかったことで、次期首相の可能性が出てきた立憲民主党の野田佳彦代表についても韓国メディアは注視しはじめたが、もともと野田氏は韓国国民に「反韓政治家」としてよく知られた人物だ。

 彼が過去に首相を務めていた2011年12月、京都で開かれた李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領との首脳会談で、慰安婦問題で顔を紅潮させたことがある。

 当時の韓国『聯合ニュース』の報道によると、李明博大統領は野田首相との会談時間の9割を慰安婦問題にあて、野田首相に慰安婦問題の解決を繰り返し要求した。しかし、野田首相はこれに応じず、逆に日本大使館前に設置されている慰安婦像を撤去することを要求したという。これにより李明博大統領は予定を短縮して帰国したとされるほど、当時の会談ムードは険悪だったと伝えられている。

2011年12月18日、京都迎賓館で当時の野田佳彦首相と韓国の李明博大統領が首脳会談前に握手を交わした。会談後、野田首相は「個人的な信頼関係が深まった」と語ったが、これ以降、日韓関係は急速に悪化した(代表撮影)
拡大画像表示

 その後、日本が防衛白書に竹島(独島)の領有権を明記したことへの抗議パフォーマンスとして、2012年8月、李大統領が独島を電撃的に訪問。野田首相は遺憾の声明を発表し、駐日本韓国大使を呼んで抗議する事態に発展したが、これ以後、韓国政府は朴槿恵政権初期まで「反日基調」を維持することになった。

 衆院選後の日本の政界再編の行方がどうなるのかはまだ見通せないが、日韓関係の進展は足踏みする可能性が高まりつつある。総選挙での自民党の大敗は、日韓関係の修復を最大の外交成果と誇ってきた尹錫悦政権をも極めて困難な状況に追い詰めることとなってしまったのだ。