レース終盤で力負けした青学大

出雲駅伝、3位でゴールする青学大・アンカー太田蒼生 写真/日刊スポーツ/アフロ

 青学大は狙い通りに1区鶴川正也(4年)が区間賞で飛び出すも、2区野村昭夢(4年)で3位に転落する。3区黒田朝日(3年)でトップを奪い返したが、独走態勢を築くことはできなかった。4区で首位から陥落。5区若林宏樹(4年)がトップ争いに加わるも、終盤に引き離されて、「ジ・エンド」(原晋監督)となった。

 今大会は「かっとばせ大作戦!」をテーマに掲げて、5000mで青学大記録の13分18秒51(日本人学生歴代3位)を持つ鶴川正也(4年)を1区に起用。箱根駅伝2区で区間賞に輝いた黒田朝日(3年)を3区に置いて、前半からぶっちぎる戦略を立てていた。しかし、原監督の思惑通りにはならなかった。

「1区がスローペースになり、思いのほか引き離すことができず、歯車が少しずつ狂いました。できれば1区で20秒くらい引き離したかった。2、4、5区はタスキ(渡し)間際で詰められるなど、爪の甘さが出た感がある。今回は『勝てる』と思うタイミングがなかったですね」

 青学大の敗因も駒大と同じで、各区間におけるレース終盤での踏ん張りが利かなかったことだ。出雲は各区間の距離が短い「スピード駅伝」だが、選手たちは夏合宿で走り込んでおり、調整が最も難しい駅伝だ。次なる戦いは11月3日の全日本大学駅伝。出雲と異なり、選手たちの調子は格段に上がっている。そして来年正月の箱根駅伝で最終決戦を迎えることになる。

「この秋以降の駅伝となると、國學院、駒澤。それと予選会組からの中央。ここらがライバルチームなってくるでしょうね」と原監督。初戦の出雲を終えて、学生ランナーたちの戦いはますますヒートアップしていく。