「石破政権は短命」あの大物が言い始めている

 超円高をもたらしたプラザ合意(昭和60年・1985年)以前、日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われる勢いがあった。失われた30年を経て今、日本のGDPは世界第4位に甘んじており、政治はその相似形を見ているようだ。

 石破茂総理は自民党総裁選に勝利するまで主張していたことと、総理になってから言い始めたことがまるで異なり、「豹変総理」と揶揄された。中曽根氏は三木武夫総理にくっついたり、福田赳夫総理と組んだり、最後は田中角栄氏の支援と大平正芳総理の後継であった鈴木善幸総理の後押しで総理になった。屋根のてっぺんでクルクル回る「風見鶏」と言われたものだ。

「裏金議員」こと派閥の政治資金収支報告書不記載のカネを受け取った議員の公認問題で、旧安倍派を潰しにかかったとの憶測をよび、早くも「石破政権は短命」と、キングメーカーになり損ねた麻生太郎元総理は言い始めている。今のところ総選挙で自民激減は避けられない様相だが、石破総理に活路はあるのか。

 中曽根氏は田中派分裂、角さんが病に倒れた「幸運」に恵まれた。また、背骨の通ったリアリズムは風見鶏の芯と留め金を強くし、屋根から舞い上がることはなかった。このままだとクルクル回る竹トンボのように飛びそうな石破総理の命運や如何に。