米調査会社のイーマーケターは、アマゾンの米国検索広告シェアが24年に22.3%となり、前年比で17.6%の成長が見込まれると報告した。グーグルは50.5%のシェアを維持するものの、成長率は7.6%にとどまると予測する。

 イーマーケターによると、アマゾンの23年における米国検索広告シェアは21.1%だった。これに対しグーグルは、52.1%だった。しかしアマゾンのシェアは今後右肩上がり、グーグルは右肩下がりで推移し、グーグルのシェアは25年に10年超ぶりに50%を下回るとイーマーケターはみる。

 電通の検索及びコマース部門責任者であるブレンダン・アルバーツ氏は「この市場は、だいぶ前から、大きな変革の時期に来ていた」と話している。

AIによる回答に広告挿入

 こうした中、グーグルも検索・AI・広告の融合を図っている。同社は先ごろ、検索結果の上部に表示されるAI要約の中に広告を導入した。グーグルによると、この広告は当初、米国のモバイル検索でのみ表示される。AIを活用して検索体験を向上させ、同時に新たな収益源も模索するというわけだ。

 WSJによると、例えば利用者が「ジーンズについた草の染みを落とすにはどうしたらいいですか?」というクエリーを入力する。すると、AIによる回答が表示されるとともに、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が製造するシミ取りペンの一覧も表示される。

 他の検索エンジンもAIの回答に広告を挿入する実験を行っている。米マイクロソフトは「Bing(ビング)」に組み込んだチャットボットAIにスポンサーリンクや比較ショッピング広告を導入した。

 ただ現在のところ、汎用検索エンジンを手がける企業の中で、グーグルのネット広告収入は断トツだ。23年におけるグーグルの年間ネット広告売上高は2379億米ドル(約35兆3200億円)だった。これに対し2位のマイクロソフトは122億米ドル(約1兆8100億円)。グーグルの金額はマイクロソフトの約20倍だった(ドイツStatistaのインフォグラフィックス)。