5月14日に開催されたGoogle I/Oイベント(写真:AP/アフロ)

 米グーグルが生成AI(人工知能)を使ったネット検索サービス「AI Overviews(オーバービュー)」を始める。これまでのように検索語を単語ごとに区切って入力しなくても、質問の文章をそのまま入力すれば、要約形式で回答を得られる。

 グーグルは、「これまでの試験運用で評判が良かった」と自信を示している。しかし、同社を支える年間数千億ドルに上る広告収入や、検索エンジンに依存する報道機関との関係にどのような影響を及ぼすか懸念されている。

まず米国で開始、年末までに世界10億人以上に

 AI検索は過去1年間、「Search Generative Experience(SGE)」の名称で一部の利用者を対象に試験的に提供してきたが、近く一般公開する。まず、米国で提供し2024年末までに他の国々にも展開し、最終的に10億人以上が利用できるようになるとしている。

 AI Overviewsの特徴は、テキストや画像、動画を扱える生成AI「Gemini(ジェミニ)」の技術を活用した点だ。

 例えば、「寮で生活している大学生向けの7日間の食事プランを提案してください。節約と電子レンジ対応を考慮して」と入力すると、7日間の朝・昼・夕食それぞれの簡単節約・電子レンジレシピを画像とともに表示する。

 グーグルの検索担当副社長のリズ・リード氏はインタビューで「この技術により、ユーザーの問題を解決することができる。ユーザーは喜んで受け入れ、すぐに使いこなすだろう」とコメントした。