(写真:ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムのクラウド事業、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、今後5年間でシンガポールへの投資額を倍増させる。2028年までに120億シンガポールドル(約1兆3700億円)を追加投資すると明らかにした。クラウド事業の拡大を図るほか、デジタルスキルの向上と生産性の向上に力を注ぐという。

東南アジアの重要性を強調

 AWSのシンガポール責任者、プリシラ・チョン氏は、「今回の投資は、すべてアジア太平洋・シンガポール地域に関連するデータセンター機能の構築と強化に充てられる」との方針を説明した。

 AWSは、2010年にシンガポールで、アジア太平洋地域のクラウドサービス拠点を開設した。これは同社にとって欧米以外で初のクラウド拠点だった。AWSはそれ以降、同国のクラウドインフラなどに115億シンガポールドル(約1兆3200億円)を投じてきた。

 チョン氏は、「2010年の投資を皮切りに、AWSは東南アジア諸国連合(ASEAN)地域への取り組みを強化し、各国のデジタルスキルを高め、地域全体で安全性とレジリエンス(強じん性)のあるインフラを提供してきた」と強調した。

 AWSは2017年移行、シンガポールで40万人以上にクラウドスキルのトレーニングを提供してきた。「今後もスキルアップと生産性向上に投資していく」(同)。