米グーグルが、対話型の人工知能(AI)機能を主力の検索エンジンに組み込む計画だと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
「AIは検索の回答能力を飛躍的に高める」
スンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)が同紙とのインタビューで意向を明らかにした。この中で同氏は、「AIの進歩はグーグル検索における回答能力を飛躍的に高める」と語った。その一方で、対話AIが、同社売上高の大半を占める検索事業に脅威を与える、という考えは否定した。「どちらかと言えば、チャンスは以前より広がっている」と述べたという。
自然言語による入力を処理し人間のような文章で応答することができる大規模言語モデル(LLM)の開発においてグーグルは長年業界をリードしてきた。グーグルはこの技術を検索に導入するには至っていないが、ピチャイ氏は今回「何かが変わるだろう」と述べた。
「人々は検索を通して大規模言語モデルとやり取りできるのか。もちろんそうなる」(ピチャイ氏)
ChatGPT登場で、対話AIの競争開始
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、グーグルは以前から社内でAIシステムを活用してきた。複雑な検索要求への理解を高めることが目的だったという。だが、米マイクロソフトが出資する米スタートアップ企業のオープンAIが2022年11月に「ChatGPT」を公開した。これにより、ネットサービスにおける対話AIの導入競争が始まった。