米グーグルは3月21日、対話人工知能(AI)サービス「Bard(バード)」を米国と英国で一般公開したと発表した。初期の実験という位置付けだが、利用者は生産性を高めたり、アイデアを促進したり、好奇心を刺激したりできると、同社は説明している。
米英以外や非英語圏にも展開へ
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Bardはウィキペディアなどのウェブサイトから得た情報を使用し、利用者が入力した指示文に答える形で情報を文章で表示する。会話形式で情報を処理し、追加の質問に応じることもできるという。
音声AI「Googleアシスタント」を担当するシシー・シャオ副社長はBardの利用開始ついて具体的なスケジュールは示さなかったものの、待機リストの順番どおりにユーザーを登録していくと述べた。米英以外の国や非英語圏にもサービスを拡大する意向も示した。
Bardは、グーグルが2015年に開発を始めた「language model for dialogue applications(対話アプリケーションの言語モデル)、LaMDA(ラムダ)」と呼ぶAIシステムを活用して開発された。開発者によると、このLaMDAは公開フォーラムやウェブサイトにある1兆5600億語の単語をベースにしているという。
だが、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、グーグルはこれまで対話AIの公開に消極的で、競合企業に遅れを取っていた。なぜなら、同社の稼ぎ頭である検索連動広告に及ぼす影響について検討していたからだという。