(写真:AP/アフロ)

 米マイクロソフトが自社の検索エンジン「Bing(ビング)」に、米オープンAI(OpenAI)の人工知能(AI)技術を導入して以降、Bingの利用が急増している。ロイター通信が3月22日に報じた

対話AI統合で人気上昇

 AIを搭載したBingは調べたい内容に対して対話形式で回答する。ウェブアクセス解析サービスのシミラーウェブによると、マイクロソフトが2023年2月7日にウェブブラウザーでこの機能を利用できるようにして以降、Bingへのページアクセス数は15.8%増加した。一方、米グーグルの検索エンジンは1%近く減少した。

 アイルランドの調査会社スタットカウンターによると、検索エンジンではグーグルが80%以上のシェアを握り、圧倒的に優位な立場にある。これに対しBingのシェアは9%弱にとどまる(独スタティスタのインフォグラフィックス)。

 しかし、1200億ドル(約15兆6800億円)を超えるといわれる検索市場でBingが1~2%でもグーグルからシェアを移行させることができれば、マイクロソフトにとって有意義なことだとロイターは報じている。

 Bingはアプリのダウンロード件数も伸びているという。アプリ調査会社のdata.aiによると、Bingアプリのダウンロード件数は、対話AI統合後世界で8倍に増大した。 グーグル検索アプリのダウンロード件数は同期間に 2%減少した。

激化するAI開発競争

 マイクロソフトが出資するオープンAIは20年に大規模言語モデル「GPT-3」を開発した。22年11月に、これを進化させたGPT-3.5を取り入れたAIチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)を公開したところ、わずか2カ月で月間アクティブユーザー数が1億人に達した。