10月1日、韓国の「国軍の日」の記念式典で演説後に敬礼する尹錫悦大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
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北朝鮮による核放棄、もう不可能なのか

「国際社会は北朝鮮が核を保有しているという事実を認めて対話に乗り出さなければならない」

 国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシー事務局長がAP通信とのインタビューで語った内容が、韓国で大きな反発を呼んでいる。

IAEAのグロッシー事務局長(写真:ロイター/アフロ)
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 韓国大統領府はグロッシー事務局長の発言を「NPT体制の根幹を揺るがす非常に不適切な発言」と批判、韓国メディアからも「核拡散を監視しなければならない国際機関のトップらしくない発言」などとブーイングの嵐が起こっている。

 ただ、米ワシントンでも北朝鮮の核を認める空気が広がりつつあるなど、国際社会ではいつのまにか「北朝鮮の非核化は非現実的」という見方が主流になってきている。

 だがこれに首肯できない韓国では、かつてないほど「核保有論」「核武装論」が盛り上がり始めている。中には日本の石破茂新首相の「アジア版NATO創設」論に酷似した核共有主張まで出ている。