議事録づくりはなにげに大変(写真:mapo/イメージマート)議事録づくりはなにげに大変(写真:mapo/イメージマート)

 生成AIやデジタル機能の進化、ペーパーレスによって仕事にかける労力は軽減されるはずなのに、なぜかタスクが終わらない……。そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは、多いのではないでしょうか。トヨタグループのデンソーで徹底的に仕事の「ムダ」を減らし、「成果」を最大化する仕事術を学んだ森琢也氏によるカイゼン術の2回目。

※本記事は『トヨタで学んだハイブリッド仕事術』(森琢也著、青春出版社)の一部を抜粋・再編集したものです

(森琢也:株式会社クック・ビジネスラボ代表取締役、中小企業診断士)

業務カイゼンの秘密兵器「ECRSの原則」

 ムダを見つけ出すことができたとしても、それだけでカイゼンが進むとは限りません。例えば、会議の議事録や業務報告書など書類の作成に時間がかかりすぎて、他の業務が進まないという悩みや相談はよく耳にします。

「書類作成に時間がかかりすぎている」というムダを発見するまではできても、カイゼン検討を進めると、多くの方が「その作業に不慣れなことが原因だ、回数をこなして議事録や業務報告書の作成に慣れてくれば作業時間を短縮できる」と安易に考えてしまいがちです。

 これでは成り行きまかせで、いつまでたっても成果は出ません。

 どうすれば適切なカイゼン策を見つけ出せるのか。実は、カイゼン検討の王道ノウハウがあります。それが以下で表にした「ECRS(イクルス)の4原則」です。

ECRSの4原則

 それでは、議事録作成のカイゼン策を「ECRSの4原則」で一緒に考えてみましょう。