プレゼンテーションの資料づくりにもムダな作業が眠っている(写真:mapo/イメージマート)
プレゼンテーションの資料づくりにもムダな作業が眠っている(写真:mapo/イメージマート)

 生成AIやデジタル機能の進化、ペーパーレスによって仕事にかける労力は軽減されるはずなのに、なぜかタスクが終わらない……。そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは、多いのではないでしょうか。トヨタグループのデンソーで徹底的に仕事の「ムダ」を減らし、「成果」を最大化する仕事術を学んだ森琢也氏によるカイゼン術。

※本記事は『トヨタで学んだハイブリッド仕事術』(森琢也著、青春出版社)の一部を抜粋・再編集したものです

(森琢也:株式会社クック・ビジネスラボ代表取締役、中小企業診断士)

見えないムダをあぶりだす「作業の3分解」

 毎日、なぜかバタバタしていて、あっという間に1日が終わってしまう。「仕事をした」という充実感はあるものの、タスクリストが半分も終わっていない。そればかりか残タスクがどんどん積み上がっていく……。こんな状況、誰もが経験あるのではないでしょうか。

 新人時代の私は、まさにこうした会社員でした。ただ、「やみくもに頑張っているだけ」。なぜ頑張って仕事をしているのに、思ったように仕事が捗どらないのか。

 いま思えば、理由は簡単で「ムダが多い」から。仕事の中に潜んでいるムダに気づかず、やみくもに取り組んでいたからです。ムダに気づかないと、現状を変えていくためのカイゼンの第一歩を踏み出すことができません。では、ムダを見つけ出すには具体的にどうしたらいいのでしょうか。

 まずは、作業を3分解(正味作業/付随作業/ムダ作業)し、それぞれの作業別にムダを見つけていきます。具体的に説明します。