どんな仕事も初速を附けるまでのスタートダッシュが大事(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)どんな仕事も初速をつけるまでのスタートダッシュが大事(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 生成AIやデジタル機能の進化、ペーパーレスによって仕事にかける労力は軽減されるはずなのに、なぜかタスクが終わらない……。そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは、多いのではないでしょうか。トヨタグループのデンソーで徹底的に仕事の「ムダ」を減らし、「成果」を最大化する仕事術を学んだ森琢也氏によるカイゼン術の4回目。

※本記事は『トヨタで学んだハイブリッド仕事術』(森琢也著、青春出版社)の一部を抜粋・再編集したものです

(森琢也:株式会社クック・ビジネスラボ代表取締役、中小企業診断士)

気が重い仕事でスタートダッシュを決める「4分ルーティン」

 職場の会議で発表する資料をつくらなければいけないのに、大仕事だと思うとつい後回しになってしまうことはありませんか? 発表2日前から慌てて取りかかり、残業までしてなんとか間に合わせた、そんな経験をした方は少なくないでしょう。

「自分は追い込まれないとやらないタイプだから」などと言いながら、いつもギリギリでは、周囲から「あいつに任せて大丈夫か?」と思われ、知らず知らずのうちに評価を下げてしまうかもしれません。

 大きな仕事を目の前にすると着手が遅くなる人ほど「めちゃくちゃ大変そうで嫌だなー」と、その仕事が終わるまでの面倒や手間を考えがちです。着手する前段階で、不安と憂鬱な気分ばかりを抱え、気が重くなり、なかなか取りかかれず着手がますます遅くなるという負のループに陥ってしまいます。

 不安や憂鬱で立ち止まってあれこれ悩むだけの時間は、やはりムダでもったいないものです。

 そんな時はどうしたらいいのでしょうか。気の重い仕事にもさっと取り組めるようにするための2つのステップを説明します。