保険料の一括払い、免責金額の設定なども

 ただし、マンション管理組合向け火災保険の場合、個人賠償責任補償を確保していない居住者や所有者がいる可能性もあり、保険料を節約するために外す場合は慎重な対応が求められる。もし、専有部分で水漏れなどが起きて他の居住者宅に被害を与えた場合、加害者の住民が個人賠償責任補償保険に加入しておらず、巨額の損害賠償金を払えないといった事態が起こり得るからだ。

 保険料のまとめ払いも検討事項になりそうだ。保険期間を最長の5年にして保険料を一括払いすれば、毎年更新の毎月払いよりも1カ月当たりの保険料は安くなる。

 また、契約時に「免責金額」を設定すると保険料負担を軽減できる。免責金額とは、損害発生時に加入者が自己負担する金額を指し、損害額がこれを上回った場合のみ、上回った分の保険金が支払われることになる。

 被災経験のある方には釈迦に説法になってしまうが、いざ自分が渦中の人となったとき、一部の富裕層を除けば一生かかっても払い切れないような金額が必要になるリスクがあるのが自然災害や事故の怖いところだ。

 補償内容を正しく理解し、過不足なく加入して、不可抗力への備えとしたい。