東部ドネツク州の主要都市ポクロフスク中心部。ここ3カ月、ウクライナ全土でかなりのミサイル攻撃を受けている(写真はすべて筆者撮影)

ロシアのウクライナ侵攻以降、筆者は数度にわたり現地に滞在し、取材を行ってきた。前々回の本連載記事で、ウクライナ政府から避難指示が出た東部ドネツク州の主要都市、ポクロフスクの様子を写真ともにお伝えした。今回はその続きをレポートする。

(小峯 弘四郎:カメラマン)

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大きな爆発音、そして黒煙が立ち昇り始めた

 筆者は8月20日からの3週間、多くの時間をポクロフスク近郊の取材に割いてきた。その過程で、街の雰囲気が大きく変わっていくのを目の当たりにした。

 避難指示によって多くの人々が街を離れたが、それでもなお残っている人も少なくない。その生活は、いっそう苦しいものになっている。

 時間の問題とみられていた陥落までは至っていないものの、ロシア軍の攻撃は激しい。飛んでくる砲弾も増えている。

 現地取材している筆者は、昨年、南部ヘルソン州で自分の目と鼻の先でミサイルが着弾した様子をお伝えしたが、この9月初旬、ポクロフスク市内を取材中に再び大きな爆発音を聞く経験をした。

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 街を取材中、ミサイルの飛行する音に続いて大きな爆発音がした。その方角に目を向けると黒煙が立ち昇り始めた。

 あとでわかったことだが攻撃を受けたのは変電所だった。筆者がいた場所の1ブロック先に着弾した昨年よりも距離はあったが、近くの建物からは人が逃げ出してきた。ミサイルの落下地点に向かうと、難を避けるように黒煙が立ち昇る横を1人の男性が自転車で走り去った。