道路脇に点在する「避難」呼びかけの広告

 現地に残る住民向けの支援も続けられている。写真は、ポクロフスク付近のミルノグラードで住民に支援物資を渡すボランティア活動の様子だ。

 街に人通りもほとんどない中で、Tシャツやサングラスなどを売っている女性の店に立ち寄った。「避難をしないのか?」と尋ねると「私はドンバス(ドネツク州とルハンスク州を合わせた地域)で生まれたウクライナ人。避難なんかしない」という言葉が返ってきた。

 夕方、公園近くのベンチで涼んでいる女性を見つけた。付近では砲弾の音が続いている。市内の道路脇には「エバクアーツィヤ」(ウクライナ語で「避難」の意味)と呼びかける広告が点在している。

 避難をしたところで必ずしも安全とはいえないし、街に残っても生き抜ける可能性はある。

 どちらかが正解でも不正解でもないのだろう。

ポクロフスクの南側の幹線道路にあるモニュメント。ウクライナ国旗や部隊の旗が無数に飾られ、マリア像に祈りを捧げる場所となっている