辞任か失職か、それとも解散か

 その斎藤知事だが、9月19日、正真正銘の正念場を迎える。兵庫県議会の定例会開会日となるこの日、補正予算案を審議して成立した後、全会派が知事に対する不信任決議案を共同提出する方針なのだ。

 不信任決議案が可決されるのは確実な情勢で、その場合、斎藤知事は辞職するか、あるいは失職か10日以内の議会解散かの選択を迫られることになる。

 常識的には、これだけ議会との間に溝が出来てしまえば、不信任決議案が可決されれば知事自ら辞職を選択するところが、斎藤知事はいまのところ続投の姿勢を崩していない。

 辞職せずに失職となれば50日以内に知事選が行われる。斎藤知事がそこで再び立候補することも可能だ。

 だがこれまでのところ、斎藤知事は議会解散の可能性も匂わせている。

 その選択をすれば、40日以内に県議会議員選挙が行われる。県議選は昨年4月に行われたばかりなのに、である。

 それだけでは終わらない。新しく選ばれた県議会議員たちは、最初の議会で再び斎藤知事に対する不信任決議案を提出することになるだろう。この場合、3分の2以上の議員が出席し、過半数が賛成すれば不信任決議案は可決される。こうなると知事は自動的に失職し、新たな知事を選ぶ選挙が行われることになる。いずれにしても兵庫県政は大混乱だ。