データセンター向け技術企業を買収

 エヌビディアは2020年にイスラエルのメラノックステクノロジーズ(Mellanox Technologies)を70億米ドル(当時の為替レートで約7700億円)で買収した。メラノックスは高速通信インターフェース「InfiniBand」に使われる半導体を手がけていた企業だ。この買収により、エヌビディアはデータセンター内高速通信技術を獲得した。

 エヌビディアは、AI向けに最適化されたイーサネットを提供する事業も展開している。加えて、様々なデータセンター機器用CPU(中央演算処理装置)やネットワークチップなどの製品を販売している。医療やロボティクスなど、特定の業界ニーズに対応したソフトウエアとハ​​ードウエアのセットアップも手がける。

AMDやインテルもAI構築・運用支援

 WSJによれば、米データセンター運営会社データバンクのラウル・マーティネックCEOは、ファン氏の施策について「彼は会社を垂直統合した。彼らは、AI がどうあるべきか、ユーザーが実際にAIを導入できるようにするには、どのようなソフトウエアとハ​​ードウエアが必要なのかを常に考えている」と述べた。

 一方、エヌビディアのライバルも同様の動きを見せている。米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、AMD)は24年8月19日、サーバー機器を手がける米ZTシステムズを49億ドル(約7000億円)で買収すると発表した。AMDは22年にプログラマブル半導体「FPGA」に強みを持つ米ザイリンクス(Xilinx)や、データセンターネットワーク企業の米ペンサンド・システムズ(Pensando Systems)を買収している。

 米インテルをはじめ、米セレブラス・システムズ(Cerebras Systems)や米サンバノバ・システムズ(SambaNova Systems)といったAI半導体スタートアップも、AIツールの構築・運用を希望する顧客に向けて、作業の大部分を代行するサービスやシステムを提供している。