米エヌビディア(NVIDIA)は、GPU(画像処理半導体)の提供だけでなく、機械学習(マシンラーニング)モデルの開発からデータセンターの設計まで、AI(人工知能)展開の全てにおいて主要技術を供給する「AIファクトリー」を目指している。競合他社がエヌビディアのシェアを奪おうと投資を拡大する中、エヌビディアもワンストップのサービスを提供することで、自社製品をより魅力的なものにしようとしている。
ファンCEO「AIファクトリーを構築する」
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などが報じた。報道によると、エヌビディアはAIブームの中心となる半導体の市場において支配的な地位を維持している。そしてこれらの半導体を動作させるために必要なほぼすべてのものも支配したいと考えている。
CEO(最高経営責任者)のジェンスン・ファン氏は先の決算説明会で、エヌビディアのデータセンター設計能力が向上していることを強調した。同氏は、半導体に加えて、ソフトウエアやデータセンター設計サービス、ネットワーク技術を提供することで事業領域を拡大し、競合他社との差を広げようとしている。
ファン氏は「当社はすべての部品を持っており、それらを統合してAIファクトリーを構築できる。これは独自の能力だ」と自信を示した。
WSJによると、これは、AI半導体市場で80%以上とされる同社のシェアを切り崩そうとするライバルの動きに対抗する戦略だ。AIデータセンターという新たな収益源を確保することは、売り上げを増やせるだけでなく、顧客のつなぎ留めにも有効だという。