知事の子供に蟹を食べる資格があるか?

 百条委員会のなかでも、かなりどよめきが走り、県民のみならず支持していた政党まで、全員が音を立てて斎藤元彦知事から去っていったもう一つのやり取りを引用してみます。

上野英一議員:蟹のお土産ですね、職員がですね、こんな高価なお土産いただけないと断ったやつをですね、それではそれは自分がいただくとしたことや(中略)知事はいつも、弁当を家族の分まで持って帰るのに、この弁当では容器の返却があり持って帰れない、「ダメではないか!」と言われたというアンケート(中略)は、「行儀が悪い」「めんどい」(中略)「品がない」「見苦しい」(中略)、県として受け取ったとか、PRとして受け取ったとかいうものではなく、斎藤家の食卓をにぎわしただけですよね?

 本当にPRなら(中略)斎藤家の今夜の夕食は蟹でこんなに豪華になりました、とSNSでなぜ発信されないんですか?(後略)

斎藤元彦知事:あのぉぉぉぉぉ、PRをすることもあれば、ですね、あのぉ、自分自身がですね、食品とかをですね、家で食べることによって、あ、こういったおいしいものが兵庫県内にあるんだということを知ることも、私は、大事な、県知事としての仕事だと思っています。

(百条委員会室内にざわめき)

 ここまで低見識なOBを東京大学が輩出してしまったという事実に、一教官としてただただ恥ずかしい。

 なるほど、百歩譲って知事が県内のおいしいものを食べるのも知事の仕事のうちだとしましょう。

 では、それを家に持って帰って家族、奥さんや子供に食べさせることは、どんな仕事にあたるのでしょうか?

 もし子供さんがいれば、お父さんがお土産で豪華な食材を持ってくれば喜ぶでしょう。7月以降、ますます「頑張って」という子供の声援が大きくなるのも分からなくもありません。

 しかし、そんな育ち方をしてしまったら、まともな大人になれるのか大変心配です。

 お父さんは役人時代は普通だったけど「知事」になったらいきなりおいしいものや高価なお土産が毎日のようにやって来る。

「やったぜパパ。明日はホームランだ」などという勘違いを万が一にも持たないよう、よほど厳重に家庭内再教育など施しておかないと、普通の人権感覚を持った社会人には育たない危険性がある。

 斎藤氏は「贈答品を秘書課に分けるのは、一部の課員だけに分配することになり、よろしくない」と強弁して、すべてを自分が持ち帰るという。

 3人の秘書が3人揃って全員「知事がすべて持ち帰る」と証言しているという、漫画のような状況になっています。

 秘書課員に分けるのが不正なら、「知事の子供」に蟹や牡蠣などを持って帰って、家族だけで分けて食べるというのは、何なんですか?

 不正行為にはならないと思っているのでしょうか?

 仮に斎藤元彦氏に子供がいたとしても、子供自身に罪はありません。しかし、学校などで父親がこれだと分かってしまったら、手ひどいいじめに遭遇しても全く不思議ではありません。

「公務員失格」とかいう言葉がありましたが、親としても失格、子供を設けたり育てたりする資格なしというのが、この人物の挙動に対しては分相応と指摘できるかと思います。

 こんな育てられ方をしてしまったら、子供にはずっと後々の人生まで大迷惑になるでしょう。