デメリット②:数年以内に使う資金の運用には向かない

 お金は、目的別に分けて、適した金融商品・制度で運用することが重要です。お金を貯めるときには、お金を「日々出入りするお金」「5年、10年以内に使い道が決まっているお金」「10年を超えて準備していきたい将来のためのお金」の3つに分けて、それぞれ別の口座や金融商品、方法で貯めていきます。

 このうち、新NISAで行う「長期・積立・分散投資」で元本割れせずに堅実にお金を増やすには、20年以上がひとつの目安になります。

 金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」や「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」では、毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券に分散して積立投資した場合の年間収益率が紹介されています。

 これによると、1989年以降、保有期間20年の場合は投資収益率が年2~8%の間に収まっていて、この期間では元本割れしていません。

 見方を変えると、いくら新NISAを利用した投資であっても、数年程度の投資では元本割れをする可能性があるということです。数年以内に使う予定のお金を新NISAで用意しようとして、損失を抱えてしまったら困ってしまいます。

 数年以内に使う予定のお金を運用するのには、元本割れをせず普通預金より増やせる定期預金や変動国債10年のほうが向いているといえます。