ウクライナ軍はクルスク州侵攻作戦のすべてで優位に

――ウクライナ軍のクルスク州侵攻をどう見ていますか。

マーク・ロペス氏(以下、ロペス) クルスク州侵攻作戦は当初は国境周辺からロシア軍を押し出すためのものだったようだ。国境周辺に押し寄せた部隊は約2000人。ウクライナ軍の部隊は軽装甲と若干の防空装備を持っていた。

 ロシア軍がこの地域を防衛しないとわかると、ウクライナ軍はクルスク州国境地帯の隙を突いて後続部隊を投入した。追従部隊は8000人の兵士に加え、装甲、機械化歩兵、防空、電子戦、工兵で構成された。

越境攻撃が続くロシア西部クルスク州と接するウクライナ北東部スムイ州で、軍用車両に乗るウクライナ兵=8月11日(写真:ロイター=共同)
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 8月31日現在、クルスク州の深さ約25マイル(約40キロメートル)まで約2万人の兵士が展開している。ほぼ100の村と小さな町、建設地域、物流・輸送拠点、弾薬備蓄地域、ロシア軍司令部が占領された。

 さらに多くのウクライナ軍が当初の戦闘部隊を増強している。

 橋や物流拠点に対するウクライナ軍の戦術空軍の攻撃により、現在、約3000人のロシア軍が包囲されている。クルスク州侵攻作戦に続いて、ウクライナ軍は国境を越えてベルゴロド方面へ侵攻している。

 西側の支援国に知られることなく、ウクライナはロシアへの攻撃を成功させた。これらの侵攻はロシア軍の士気に打撃を与え、約500人以上のロシア兵を捕らえ、さらに3000人がクルスク地域の峡谷に閉じ込められた。

 戦術的にはウクライナ軍はクルスク州侵攻作戦のすべてで優位に立っている。