「運動部の顧問は遠慮します」と若手教員

 2023年夏に日本教職員組合が実施したアンケートによると、男性のような中学校教員の平均残業時間は“持ち帰り残業”も含めると月116時間28分に上り、過労死ラインと言われる月80時間を大きく上回った。

教員の労働時間は所定労働時間を大きく上回る(出所:『2023年 学校現場の働き方改革に関する意識調査』日本教職員組合)
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 実際に男性の残業も100時間を超える。

 最も負担が大きいのは部活動だという。男性は卓球部の顧問を務めており、週末も練習や対外試合、競技会などで月に数回は出勤する。

 それでも、県大会で上位の常連になっている野球部やサッカー部の顧問をしている同僚と比べれば、練習時間や対外試合の負担はだいぶ少ないという。「最近の若手教員は『運動部の顧問は遠慮します』というのが多くて、うちの中学校の運動部は“初老顧問”ばかり」と苦笑する。

「教員は確かにデフレ下でも安定的に昇給はしてきたけれど、そもそもの水準が低い。特にみなし手当に関しては『これだけ残業させておいて何だよ』と皆思っているはず」

文部科学省は2025年度予算の概算要求で「教職調整額」の大幅増など、教員の待遇改善を目指すが…(表:共同通信社)

 収入に関してはショッキングな出来事があったという。