結言

 ウクライナ軍のクルスク州に対する奇襲攻撃は、攻撃から2週間経過した8月20日時点では、成功したと言ってもよいであろう。

 プーチン大統領にショックを与えたことは確かだ。

 しかし、勢力的に劣勢に立つウクライナが今後やるべきことは多い。まず初期の奇襲作戦の成果を拡張するために防御への迅速な転移を行うべきだし、兵員の確保は最優先で自ら行わなければいけない。

 長距離ドローン等によるロシアの重要インフラの攻撃も徹底的に行うべきだ。

 そして、大量の弾薬と兵器を米国等の西側諸国から確実に入手することだ。ゼレンスキー大統領は「米国等は、約束した弾薬や兵器の供与を早く確実に行ってもらいたい」と口を酸っぱくして言っている。

 また、ロシア国内で米国等が許与する長射程の兵器を自由に使わせるべきだ。バイデン政権などがウクライナに課しているこの制限は理不尽である。

 以上みてきたように、乾坤一擲の作戦を行い、一定の成果を得たウクライナ軍を助け、早くこの戦争を終結させるために、米国等の西側諸国のやるべきことは多い。