政治家との距離が近い米国

 大統領選は4年に一度、「11月の第1月曜日の翌日」と決まっています。選挙の年、街には候補者たちのポスターが貼られ、チラシも配られます。

 一般家庭の庭に「共和党の○○を応援しています!」などと立て看板が置かれ、街ゆく車にも「民主党の▲▲支持者」というステッカー。選挙チームは人海戦術で「うちの候補をよろしく」と電話やSNSで有権者にアピールするので、ボランティアを含めて相当な人数が必要です。

 米国は「政治家との距離が近い国」だと言えます。地方議員なら尚更で、平日の夜にこぢんまりした市議会が開かれ、そこに市民が参加して意見を言うというのも珍しくありません。市議会だと人数も少なく、ごくわずかな手当で議員活動をしつつ昼間は普通に働いている“兼業政治家”もいます。

 市議会は簡単に入れるので私も傍聴したことがありますが、市議会議員と市民が活発に議論をしており、民主主義が文字通り“草の根”として根付いていると実感しました。

 さて、大統領選の候補者たちが目指すのは、まず予備選挙。政党の代表候補を選ぶためのもので、登録者限定の「閉鎖型」と、有権者なら誰でも投票できる「開放型」があります(ただし、両方の政党で投票することはできません)。

 民主党も共和党も、まずは党内で戦うわけです。各候補者はメディアを使って大々的にアピールするので、注目度は非常に高いと言えるでしょう。