東京湾大華火祭、8億円捻出できず「終了」

 気象庁の「巨大地震注意」によって中止や延期が相次ぎましたが、実は中止や規模縮小といった花火大会への逆風はそれ以前から始まっていました。

 理由として目立つのは地元の自治体や経済団体による予算不足です。コロナ禍でのイベント自粛を経てようやく再開に動き出そうとしても、人件費や花火費の高騰で簡単には再開できなくなっているのです。

 象徴的な例は、東京湾大華火祭でしょう。

 この花火大会は1988年に始まりました。打ち上げ場所は東京の晴海埠頭周辺。短時間に1万2000発を打ち上げる華やかさが人気を呼び、2010年前後には70万人を集めるイベントに成長しました。大会の主催者は実行委員会と中央区、朝日新聞社で、一時はテレビ朝日が大会を全国中継。隅田川花火大会や神宮外苑花火大会と並ぶ東京の代表的な花火大会になっていました。

2023年に4年ぶりに開催された隅田川花火大会(写真:Keiichi Miyashita/アフロ)

 ところが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村が晴海地区に整備されることになり、2015年を最後に「休止」となりました。その後、東京オリンピックが終了してもコロナ禍の影響が残り、再開できないまま。そうこうしているうちに、今度は約8億円とされる開催費用を捻出できなくなり、「休止」は大会そのものの「終了」になってしまったのです。

 いったい、この花火大会にはいくらかかるのでしょうか。