猛暑のなか、「常温保存」の「常温」って?(写真:Melinda Nagy/Shutterstock)

猛暑が続くなか、食品や飲料を「冷やす」ことは衛生面の安全を確保するうえで重要だ。一方、なかには「常温保存」が可能とされる食品や飲料もある。この常温、いったい何度なのだろうか。連日の猛暑でもはや、常温の感覚が変わってきている気もする。大切な食品が傷んだり腐ったりしないよう、常温について調べてみた。

(杉原健治:フリーライター)

猛暑で気になる「常温保存、大丈夫?」

 年々、平均気温が上昇している日本の夏。2024年7月7日に早くも静岡市で最高気温40.0℃を観測するなど、厳しい猛暑が日本列島を襲っている。

 猛暑のなか気をつけたいのが、食品の保管だ。なかには常温保存が可能なものもあるが、SNSでは「常温」という表現そのものに疑問を呈する人たちの声がみられる。

「これだけ暑いと『常温保存』って言われるものの概念が変わりそう」

「本当に常温で置いておいていいのか悩む」

 確かに、その通りだ。

 日本の夏は多くの地域で、気温とともに湿度も高い。「そもそも食品や飲料に記されている『常温』が想定しているのは、これほど暑い環境じゃないのでは…?」と常温保存の前提条件を気にする人もいる。

 はたして「常温保存」の「常温」とはどのように定義されているのだろうか。