「常温」とは何度?

 日本の産業製品に関する国家規格であるJIS規格(日本産業規格)では、常温とは「20℃±15℃」のことであると定められている。つまり5~35℃の範囲におさまっていれば常温とみなされる。

 また厚生労働省が示す「常温保存可能品に関する運用上の注意」においては、「夏期に外気温を超えない温度」を常温だとする基準も設けられている。

常温保存可能でも直射日光は避けた方がいい(写真:FabrikaSimf/Shutterstock)

 食品メーカーはJIS規格や厚生労働省が示す常温の基準を参考にしており、独自の想定温度を公式的にアナウンスしているケースもある。

 例えばトマトケチャップや調味料、野菜ジュースなどを扱うカゴメは、JIS規格を参考にしつつ28℃を常温としている。気温が30℃を超える夏場であっても、常温保存可能な食品であれば、室内で保存すれば品質的な問題はないという。

 またチョコレート菓子やレトルト食品などを販売する江崎グリコは、常温保存品について、厚生労働省の基準を根拠に15~30℃の環境で保管されることを想定して商品を設計しているという。未開封であれば微生物が増殖しない設計にしているため、一時的に室温が高くなっても腐敗する恐れはないという。