自由恋愛は弱肉強食、「弱者男性」の大量発生は必然
橘:人類史の大半において、誰とパートナーになるかは家族や地域の共同体が決めてきましたが、近代になってから、とりわけ第2次世界大戦以降はそれが個人の自由意思に変わりました。
これはもちろんよいことですが、自由な恋愛市場では(第1段階では)選択権をもつ女が圧倒的な強者になり、その壁を突破できない男がどんどん増えていく負の側面があります。
私は『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』(SBクリエイティブ)という本を監訳しましたが、これは進化論をもとに女が男に求める要素を解き明かし、「女が望むような男になろう」と提案する本です。
著者のジェフリー・ミラーは進化心理学者で、米国保守系の言論人ですが、そんな彼の問題意識も「女から選ばれない男が増えている」ことです。日本でも「弱者男性」という言葉が定着しましたが、これは世界的な現象で、多くの男が自由恋愛の最初のステップをクリアするのが難しくなっているのです。
自由恋愛では自由な意思でパートナーが決まり、最初の選択権は女にあるわけですから、男は女に選択してもらえるよう頑張るしかありません。アメリカでは、トランプを支持し“極右”といわれる学者が、こんな本を書くようになったのです。
少子化が進む日本でも結婚するカップルの数が減っていることは認識されていますが、その背景ある「性愛格差(非モテ問題)」はある種のタブーになっていて、触れられないのが現状でしょう。
──女性に選ばれるためには、どうすればよいのでしょう。