もし、トランプ氏が敗北したら…

 ハリス氏とトランプ氏は今後、移民政策やウクライナ支援などをめぐって激しい論戦を続けることになります。米国社会の分断をいかに解消するかも大きなテーマとなるでしょう。

 トランプ氏は暗殺未遂直後、共和党全国大会における大統領候補の指名受諾演説で国民の融和を訴えました。しかし、米国第一主義に立ってバイデン政権の政策をことごとく覆す意向も示しています。

 2020年の大統領選で勝利したのは自分だという主張も取り下げていません。今年の大統領選でもトランプ氏が敗北した場合、その結果を受け入れないという懸念が残ります。

 どちらの陣営が勝利するかは、国際情勢を大きく左右し、日本の外交・安全保障政策とも深く関わります。11月5日の投票日まで両党候補はどんな言動を続けるのでしょうか。世界中の視線が集まります。

西村 卓也(にしむら・たくや)
フリーランス記者。札幌市出身。早稲田大学卒業後、北海道新聞社へ。首相官邸キャップ、米ワシントン支局長、論説主幹などを歴任し、2023年からフリー。日本外国特派員協会会員。ワシントンの日本関連リサーチセンター“Asia Policy Point”シニアフェロー。「日本のいま」を世界に紹介するニュース&コメンタリー「J Update」(英文)を更新中。

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「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。