米アマゾン・ドット・コムが音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」の大幅刷新を計画していると英ロイター通信が報じている。10年超にわたり赤字の同サービスを活性化させるため、「必死の試み」に取り組んでいるという。
Alexaを無料版と有料版の2体系に
ロイター通信によると、現行の無料版サービスはアマゾン社内で「Classic Alexa(標準的アレクサ)」と呼ばれており、同社はこれを生成AI(人工知能)搭載版に置き換える作業を進めている。
加えて、より複雑な質問や指示に対応できる高性能AIソフトウエアを搭載した上位版を導入し、これに月5ドル(約800円)超の料金を設定する計画だ。月10ドル(約1600円)程度の料金も検討していると関係者は話している。アマゾンはこれらの上位版を「Remarkable Alexa(非凡なアレクサ)」と名付けた。有料会員プログラム「Amazon Prime」との連携は検討していないという。
有料版Alexaが目指すもの
新たなAlexaは、アマゾン社内で「Banyan(バニヤン)」と呼ばれるコード名で開発が進められている。2014年にAIスピーカー「Echo(エコー)」シリーズとともに登場したAlexaの初のメジャーアップデートである。
有料版では、簡単なメールの作成・送信、ウーバーイーツへの食事の配達注文など、1度の指示で複数の複雑なタスクを実行することができるようになるもようだ。
会話中に「アレクサ」と何度も呼ぶ必要がなくなり、よりパーソナライズされた対応が期待できるとされる。アマゾンはAlexaによるホームオートメーション機能の強化も目指している。ユーザーの習慣を学習して、様々な家電を動かす機能を導入するようだ。