米アマゾン・ドット・コムが自社電子商取引(EC)プラットフォームの商品検索に、「Chat(チャット)GPT」のような生成人工知能(AI)を導入する計画だと、米ブルームバーグが報じた。米マイクロソフトや米グーグルが検索エンジンに生成AIを導入する取り組みを進めており、アマゾンはこれらに対抗する。
「アマゾン検索」再構築
ブルームバーグが確認したというアマゾンの求人情報によると、アマゾンはシニアソフトウエア開発エンジニアを募集している。同社は「アマゾン検索」を再構築中だという。対話形式の検索機能となり、顧客は商品に関する質問をしたり、商品比較したり、個別化された提案を受け取ったりできるようになるという。
求人欄では「この構想をすぐにもお客様に提供したいと考えており、協力していただける最高の人材を探しています」と説明し、「これは検索における一世代に一度の変革となるでしょう」と付け加えた。
同社のもう1つの求人情報には、「新しいAI最優先の取り組み」と記載されており、「非常に大規模な次世代の深層学習技術を利用して、検索方法を再構築・再発明する」とある。
ブルームバーグによると、アマゾンの広報担当者は求人情報についてのコメントは控えたものの、「私たちはすべての事業で生成AIに多額の投資を行っている」と述べた。
こうした動きについて、ブルームバーグは「対話型の商品検索は、アマゾンの主力小売りビジネスの重要要素を大きく変える可能性がある」と報じている。
近年、アマゾンのアプリやウェブサイトの上部にある検索欄は、特定の商品を探している顧客にとって、ショッピングの「入り口」になっているからだという。アマゾンの出品業者に特化した検索・市場分析サービスを手がける米ジャングルスカウトの調査によると、米国の買い物客の半数以上が、商品検索はまずアマゾンから始めると回答しており、ショッピングではグーグル検索のシェアを上回っている。