ネット広告市場における米メタと米グーグルのシェアがついに50%を下回ったと、英フィナンシャル・タイムズが12月24日に報じた。競合である米アマゾン・ドット・コムや、中国発の動画投稿アプリ「TikTok」、米マイクロソフト、米アップルとの競争激化によって2社による独占体制が打撃を受け、何年にもわたって支配してきたネット広告市場で優位性を失いつつあるという。
メタとグーグル売上高シェア48.4%に
米調査会社のインサイダー・インテリジェンスによると、米国ネット広告市場におけるメタとグーグルの売上高シェア(合計)は、2022年に前年比2.5ポイント低下し、48.4%となる見通し。2社の合計シェアが50%を下回るのは14年以降初めてだという。
2社の合計シェアは17年の54.7%をピークに5年連続で低下したが、これが24年には43.9%にまで下がるとインサイダー・インテリジェンスはみている。世界全体で見るとメタとグーグルの合計シェアは22年に1ポイント低下し49.5%となった。
規制当局が監視強化、2社の業績低迷
米国と欧州の規制当局はプラットフォーム上で自社のサービスを優位に扱っていると疑い、グーグルのビジネス慣行を調査している。
欧州連合(EU)の欧州委員会は22年12月19日、メタにEU競争法違反の疑いがあると警告する「異議告知書」を送付すると明らかにした。こうして規制当局からの監視が強まる中、2社の業績は低迷している。