米メタが10月26日に発表した決算を受け、同社株か急落したと米メディアが報じた。引け後の時間外取引で約20%下落し、時価総額が約670億ドル(約9兆7500億円)消失した。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メタ株は年初からこの決算発表前日までに60%近く下落し、時価総額が5500億ドル(約80兆300億円)以上減少していた。
前四半期に上場来初の減収 当期も減収
メタの2022年7~9月期の売上高は277億1400万ドル(約4兆300億円)で、前年同期から4%減少した。売上高は前の四半期に同1%減と、上場以来初の減収を報告していたが、7~9月期は減収幅が拡大した。売上高全体の約98%を占めるネット広告事業の売上高は同4%減の272億3700万ドル(約3兆9600億円)だった。
景気減速による広告出稿の抑制やドル高、中国発の動画アプリ、TikTok(ティックトック)との競争が激化し、メタへの逆風となっている。
22年7~9月期の広告単価は1年前に比べ18%低下した。米アップルが21年4月に導入した、プライバシー保護を目的とする広告規制強化により、iPhone利用者の絞り込み精度が低下したことがその要因だという。1年前の広告単価は前年同期に比べ22%上昇していた。メタのデビッド・ウェイナーCFO(最高財務責任者)によると、22年7~9月期はアップルの新ルールによる影響が緩和されたものの、広告需要の低迷がそれを相殺した。
メタはドル高の影響も受けている。海外で得た収益がドル換算値で目減りした。ドル高の影響がなければ売上高はわずかに増加していたと同社は説明した。