米投資会社アルティメーター・キャピタルが米メタに経営改善を促したと、米ウォール・ストリート・ジャーナルやロイター通信が10月24日に報じた。人員を削減し、メタが力を入れるメタバース(仮想現実空間)への野望を縮小すべきだと書簡で述べた。
メタ株50%超下落、時価総額6000億ドル超減少
アルティメーター・キャピタルの創業者でCEO(最高経営責任者)のブラッド・ガースナー氏がこの日、メタのマーク・ザッカーバーグCEO宛ての書簡を公開した。
この中でガースナー氏は、業務を効率化し、株価急落に対処するため抜本的な措置を講じる必要があると述べた。
「ゼロ成長にある他の多くの企業と同様に、メタも行き過ぎに陥っている。人は多すぎ、アイデアも多すぎ、切迫感は少なすぎる。魅力を取り戻す必要がある」(ガースナー氏)
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メタの株価は過去1年半で50%以上下落し、時価総額は6000億ドル(約89兆3400億円)以上減少した。
アルティメーター・キャピタルは2022年6月末時点で約250万のメタ株を保有。約3億2000万ドル(約476億円)相当で、メタの機関投資家の上位15位には入っていない。だが、メタの本社があるカリフォルニア州メンローパークにもオフィスを持ち、長年の株主だという。
「はるかに少ない人数で同程度の収益達成可能」
ガースナー氏は、メタは人件費を20%削減すべきだと指摘し、「メタも含め、グーグルやツイッター、ウーバーなどが、今よりはるかに少ない人数で同程度の収益を上げられるということは、シリコンバレーで公然の秘密だ」(ガースナー氏)
メタの22年6月末時点の従業員数は8万3553人で、1年前から32%増加した。こうした中、ウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズなどの米メディアは先ごろ、メタが採用を凍結すると報じていた。9月29日に開いた全社会議で、ザッカーバーグCEOが従業員に伝えたという。