米アマゾン・ドット・コムが主力の小売事業でオフォス職の採用を凍結すると米ニューヨーク・タイムズや米CNBCが10月4日に報じた。景気後退への懸念を背景に、コスト削減を進める企業が増えている。先ごろは、Facebook(フェイスブック)を運営する米メタが人員採用を凍結すると報じられた。
アマゾン小売事業の全オフィス職が対象
ニューヨーク・タイムズが入手した採用担当者宛の電子メールによると、アマゾンはリアル店舗やオンライン小売事業、それらの物流事業を含む店舗事業において、全オフィス職の採用を停止する。これには技術職も含まれる。グローバルな措置としており、米国以外の拠点も対象になる。今後数日中に小売事業の求人を締め切り、再開は2023年初めになるという。
22年10月15日より前に面接が予定されている採用候補者は、引き続きオファーを受けられるものの、アマゾンでの仕事が始まるのは23年になる。電子メールでは、候補者を選別するための電話などの早期採用活動を中止するよう指示しているという。
その一方で、収益性の高いクラウドコンピューティング部門や、倉庫現場の役職、学生採用担当などは対象外となる。
アマゾンの広報担当者ブラッド・グラザー氏は「会社全体では引き続き多数の求人がある」と説明。「我々はさまざまな事業を行っており、各事業においてそれぞれの節目で採用戦略を調整し続ける」とも述べた。
ニューヨーク・タイムズは、「米国で米ウォルマートに次ぐ第2位規模の雇用主であるアマゾンによる採用凍結は、雇用市場の冷え込みを示している」と報じている。
米労働省がこの日発表した8月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人件数(季節調整済み、速報値)は前月から111万7000件減少し、1005万3000件となった。減少幅は、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大した20年4月以来の大きさだ。