メタ カルフォルニア本社前(写真:AP/アフロ)
ここ最近、米国テクノロジー企業の雇用に関する報道が相次いでいる。高まる景気の先行き不透明感を背景に、レイオフ(一時解雇)したり、新規採用を凍結したり、内定を取り消したりする動きがある。
64%が人材獲得困難
だが、米経済ニュース局CNBCが米テック大手の幹部らを対象に実施した調査によると、採用ペースは決して遅くなっていない。むしろ求人市場の競争は激化しており、企業は優秀な人材を獲得するのに苦労しているという。
2022年6月3日~22日に行った最新の調査によると、約32%の企業幹部は「採用枠にふさわしい人を見つけるのが難しくなった」と回答した。「必要な人材を見つけるのが大幅に困難になった」という回答も同じ割合であった。
メタやウーバー、テスラなどが採用抑制・人員削減
一部の米テック大手は成長が鈍化しており、新規採用ペースを緩める動きが出ている。18年以降従業員数を2倍以上に拡大してきた米メタ(旧フェイスブック)は22年5月4日、新規採用ペースを大幅に緩めると明らかにした。メタの広報担当者は22年1~3月期の業績結果に触れ、同四半期の決算発表時に示した経費ガイダンスに沿って増員ペースを減速させると述べた。
米ウーバーテクノロジーズのダラ・コスロシャヒCEO(最高経営責任者)は22年5月に従業員宛のメモで、「市場と投資家心理が変化しており、収益性に注力する」とし、「新規採用の時期や部門について慎重に検討する」と述べた。
22年6月初旬には米テスラのイーロン・マスクCEOがサラリー(月給)ベースの従業員を10%削減する計画を明らかにしたと報じられた。米ネットフリックスも人員削減を決めた。
米ウォール・ストリート・ジャーナルは22年6月下旬、米アマゾン・ドット・コムが数十の実店舗を閉鎖し、新規採用を抑制すると報じた。
また、米ツイッターでは、パラグ・アグラワルCEOが従業員宛のメモで「採用を一時停止する」と述べた。ロイター通信によると、ツイッターは22年5月下旬に、採用を内定していた一部の大学新卒者に1人ずつ電話で連絡を取り、取り消しを告げた。
「トップレベルの人材獲得できるチャンス」
CNBCによると、今回の調査対象になったほぼ3分の1の企業が、今後1年間に従業員数を調整する必要があると答えた。こうして米テクノロジー企業で採用抑制が相次ぐ中、この混乱を好機と捉えトップレベルの人材確保を狙う企業も少なくないという。
今回の調査では、55%の企業が「求人市場の混乱は、他の機会では引き付けられなかっただろうトップレベル人材を獲得できるチャンスだ」と述べたという。
報酬ベンチマークソフトウエアを手がける米スタートアップ企業オープンコンプの創業者でCEOのタン・ウェン氏は、「当社の人材パイプラインはこれまでになく良い。以前よりもはるかに多くの採用候補者がいる。その中には、これまで面接する機会さえなかった人もいる」と述べた。
CNBCの調査では86%が「スキルを持つ人材を獲得するためにより高い賃金を支払う必要がある」と回答した。テック企業の採用担当者らは「テクノロジー業界の求人は依然として活気があり、売り手市場が続いている」と話しているという。
(参考・関連記事)「テスラCEO、オフィス職1割削減 景気後退の事前対策 | JDIR」






