(写真:AP/アフロ)

 アマゾン・ドット・コムが年末商戦に向け、主力のEC(電子商取引)事業で新たな収益源を追加すると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが8月21日に報じた

プライムデー、初の年2回開催か

 会員向け大型セール「プライムデー(Prime Day)」のような大規模オンラインイベントを2022年の10~12月期に開催する計画だという。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同社は先ごろ一部の出品者に対し、同期間に開催予定のイベントについて告知し、22年7月22日までに値引き商品などの情報をアマゾンに提出するよう要請した。

 この時アマゾンは「プライム会員限定のイベントになる」と説明した。米メディアのビジネス・インサイダーも22年7月下旬に、アマゾンが今年2回目のプライムデーを開催すると報じていた。

 プライムデーは、売り上げが減少する夏場の販売促進策として15年から開催している。19年までは7月に実施していたが、20年は新型コロナウイルスの影響で物流網が逼迫したことから10月に延期。21年は6月に前倒しして開催し、今年は3年ぶりに7月開催となった。

プライムデーの販売総額、減少傾向

 米調査会社のインサイダー・インテリジェンスは、22年の米国におけるプライムデー販売総額が前年比17%増の77億6000万ドル(約1兆700億円)になったと推計している。かつて同約65%の伸びを示したこともあった同イベントの米国販売総額はここに来て減速傾向にあるという。

 こうした中、アマゾンは初めてプライムデーを年2回開催し、伸び悩むEC事業をテコ入れするようだ。米シティグループのアナリストは、「2回目のプライムデーは一定の効果を上げるだろう。ピークシーズンを前に販売額を押し上げる可能性がある」と予測している。