アマゾンの配送センター(写真:ロイター/アフロ)
米アマゾン・ドット・コムは4月13日、出品者に代わって商品の保管や配送業務などを行うサービスで、米国における料金を改訂すると明らかにした。
ガソリン価格の上昇やインフレ率を反映させるサーチャージ制度を導入する。2022年4月28日以降の出荷分から従来の手数料に5%を上乗せする。上乗せ率は今後変更する可能性があるとしている。
梱包、出荷、配送を代行するFBA
アマゾンは商品を預かり、倉庫保管や梱包、出荷、配送業務などを代行するサービス「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」を出品者に提供している。
アマゾンは、出品者宛の電子メールで「労働者の賃金上昇や倉庫の建設費増など、当社のコストは上昇している。これまで出品者への影響を減らすために可能な限り吸収してきたが、現在のコスト急上昇は予想していなかった」と説明した。
米ニューヨーク・タイムズによると、同社は21年11月にFBA料金の値上げを発表し、22年1月に新料金を導入したばかり。だが今回同社は「先の値上げ率は十分ではなかった」と説明した。
サーチャージの仕組み初導入
「22年は新型コロナ感染症対策の行動規制が緩和され、正常を取り戻せると考えていた。しかし燃料の高騰とインフレはさらなる課題を突きつけた」とも説明した。
サーチャージ制度については、「コストがさらに上昇するのか、下降に向かうのか、インフレがいつまで続くか分からない。このため恒久的な料金変更ではなく物流業界で広く使われているサーチャージの仕組みを初めて導入することにした」と説明した。
米CNBCによると、商品1つ当たりのサーチャージ額は平均24セント(約30円)だとアマゾンは説明している。これに対し米UPSの22年3月21日時点の燃油サーチャージは42セント、米フェデックスは49セントだという。
米労働省が22年4月12日発表した同年3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇し、1981年12月以来、40年3か月ぶりの高水準となった。ニューヨーク・タイムズによると米国のガソリン価格は1年前から48%上昇した。
出品者の89%がFBAを利用
アマゾンのEC(電子商取引)サイトでは、「サードパーティーセラー」とも呼ばれる外部出品者の商品の取扱高が、アマゾンのEC直販事業の売上高を上回る規模に成長している。また、FBAの料金や販売手数料など、アマゾンが出品者から得た各種料金は、21年に1033億6600万ドル(約12兆9500億円)に上り、全売上高の22%を占めた(アマゾンの年次報告書)。
アマゾンの出品者に特化した検索・市場分析サービスを手がける米ジャングルスカウトのリポートによると21年は、200万社以上ある全出品者のうち約89%がFBAを利用したという。FBAは出品者にとって料金負担が増えるものの、顧客への迅速な配達が可能になり、ECサイトで会員向けサービス「Prime」のラベル付与の対象となるため、多くが利用しているという。
(参考・関連記事)「アマゾンが未曽有の物流混乱を回避できた理由 | JDIR」






