(写真:ロイター/アフロ)

 写真・動画共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」を運営する米スナップが10月20日に発表した2022年7~9月期決算の内容が市場予想に届かず、米株式市場で株価が急落した。

パンデミック以来の最安値

 米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、スナップ株は10月21日序盤の取引で26%下落した。ロイター通信によると、パンデミック(世界的大流行)発生以来の最安値を記録した。スナップ株は年初来約77%下落したという。

 今回の決算では売上高の伸びが一段と鈍化した。ネット広告市場が当面精彩を欠いた状態が続く可能性があることを示唆し、同じく広告を収益源とするSNS(交流サイト)大手の株価も下落した。米メタと米ピンタレストは2~7%、米ツイッターは3%それぞれ下落した。

上場来最低の増収率

 スナップが10月20日に発表した22年7~9月期決算は、売上高が前年同期比6%増の11億2847万6000ドル(約1670億円)だった。増収率は22年8月時点で同社が予想していた8%を下回り、上場来最低となった。純損益は3億5950万2000ドル(約531億円)の赤字だった。

 スナップは投資家宛の書簡で22年10~12月期の売上高について、現時点で前年同期比約9%増で推移しているものの、伸び率はゼロになるとの前提に立っていると説明した。「今後数カ月も事業環境は厳しい」(スナップ)。

 同社は「さまざまな業界の広告主がマーケティング費用を削減している」とし、その要因として「他で発生したコストを広告費の削減で埋め合わせている」とも説明した。

 同社は低迷する広告事業に対処するため、22年8月に抜本的なコスト削減を図ると明らかにしていた。20年末から従業員を65%増やしてきたが、今後は20%を削減する。また、中核事業でない複数のプロジェクトを打ち切る。