米グーグルの持ち株会社である米アルファベットが10月25日に発表した2022年7~9月期決算は、売上高が前年同期比6%増の690億9200万ドル(約10兆2300億円)、純利益が同27%減の139億1000万ドル(約2兆600億円)だった。
YouTube広告1.9%減
増収率は過去9四半期で最低。5四半期連続の低成長となった。また、これで3四半期連続の減益となった。
全体の約8割を占める主力ネット広告事業の売上高は、同2.5%増の544億8200万ドル(約8兆700億円)にとどまった。このうち、検索連動型広告の売上高は同4.3%増の395億3900万ドル(約5兆8600億円)。動画共有サイト「YouTube(ユーチューブ)」の広告売上高は同1.9%減の70億7100万ドル(約1兆500億円)だった。
米金融調査大手エバコアISIのアナリストによると、検索連動型広告の売上高はこれまで一貫して好調に推移してきたため、今回の4.3%という伸びは芳しくない結果。中小企業の広告費支出への慎重さと弱さを示しているという。
また、アルファベットはユーチューブの広告売上高を19年10~12月期から開示しているが、前年同期比で減少するのは今回が初めて。米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ユーチューブはグーグルの他の広告事業よりもブランド広告への依存度が高く、企業によるコスト削減の影響を受けやすいという。
一方、同社が広告に次ぐ事業として力を入れるクラウドコンピューティング部門の売上高は同38%増の68億6800万ドル(約1兆200億円)だった。増収率は前四半期の36%から若干上昇したものの、営業損益は6億9900万ドル(約1035億円)の赤字。クラウド事業は投資が先行する状況が続いている。