アマゾンのロボット研究・開発施設(写真:Amazon/AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが人工知能(AI)を活用し配送の効率化を図っていると、米CNBCが報じている。商品の保管場所と顧客宅の距離を最小限にすることが目的だという。

 アマゾンのステファノ・ペレゴ副社長が、同社の物流部門においてAIをどのように活用しているかを説明した。同氏は、北米・欧州のカスタマーフルフィルメント&グローバルオペレーションサービスを担当している。

AI活用、配送ルート・商品検索・在庫配置

 ペレゴ氏によれば、AI活用の1つは、天候などの複数の要素を考慮して配送ルートの計画を立てる輸送分野だ。もう1つは商品検索の分野で、顧客がアマゾンの電子商取引(EC)サイトで適切な商品を見つけられるように支援しているという。

 だが、アマゾンが現在最も重視しているのは、AIを利用した在庫の適所配置だという。「サービスコストを下げるための重要な要素の1つは、在庫の配置だ」とペレゴ氏は説明した。

 同氏は、アマゾンが膨大な数の商品を日々顧客に配達していることに言及し、それらの在庫の配置が非常に複雑な問題であると説明した。アマゾンでは在庫の保管場所を可能な限り顧客に近づけたいと考えているという。それによって配達距離を短縮し、配達速度を向上させるのだという。

米国物流網を抜本見直し

 米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンは最近、それまで何年も続けてきた物流方式を見直した。従来は、米国内の配送網を全国モデルで運営していた。具体的には、顧客の要望に応じて商品を全米規模で発送していた。