(写真:ロイター/アフロ)

 米テクノロジー大手の間で大規模な人員削減を発表する企業が相次いでいる。レイオフ(一時解雇)の対象人数は、米アマゾン・ドット・コムで約1万8000人、米グーグルで約1万2000人、米メタは約1万1000人、米マイクロソフトは約1万人と、いずれも1万人台で、アマゾンに至っては2万人に迫る。

 米国を中心とするテック企業のリストラ情報を集計するLayoffs.fyiによると、2023年に入ってからこれまでに削減対象となった人数は約6万8500人。22年1年間は約16万人だったので、今年はいかに速いペースでリストラが進んでいるかが分かる。

 こうした人員削減は過度に楽観的だった雇用拡大と、その後の成長鈍化を受け、テック大手が利益率の改善を迫られていることを示していると、英フィナンシャル・タイムズは報じている。労働市場の逼迫(ひっぱく)もコスト上昇の要因となっている。米国の失業率は3.6%と、50年ぶりの低水準で推移している。

アマゾンのレイオフ、全従業員の1.2%

 一方、テック大手によって最近発表された人員削減の規模は、彼らが過去2年間に増やしてきた新規採用数に比べれば、ごくわずかだという。今回のリストラは、業界が景気低迷の長期化を警戒しているというよりも、むしろ再調整を意味しているという。

 アマゾンを例に取ってみると、その削減数はテクノロジー業界における過去最大規模。これは消費者の買い物が実店舗に戻るなか、オンラインショッピングの伸びが鈍化していることを示している。