(写真:ロイター/アフロ)

  米グーグルは1月20日、世界で約1万2000人の従業員を削減すると発表した。スンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)は同日公式ブログに「将来の私たちをつくるための難しい決断」と題する記事を投稿し、従業員宛ての電子メールを公開した

 この中で同氏は、「過去2年間、私たちは劇的な成長を経験した。 その成長に対応しさらに成長を加速させるために採用を続けたが、現在は当時とは異なる経済的現実に直面している」と述べた。「私たちをここに導いた今回の決断について、私は全責任を負う」とも述べ、「大変申し訳なく思っている( I’m deeply sorry for that.)」と謝罪した。

アルファベット従業員の6%

 リストラ対象となるのは、持ち株会社である米アルファベットの従業員の約6%。製品や事業、役職、地域を問わず、全社を横断するものになると説明した。だが、米ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、採用部門や、非中核事業とみなされるプロジェクトなどの一部部門はより深刻な影響を受けるという。影響は、副社長レベルや、クラウドコンピューティング、スタートアップを構築するインキュベーター制度「エリア120」の従業員にまで及ぶと関係者は話している。

 グーグルをはじめとする米テクノロジー大手は、何年にもわたり雇用を拡大してきた。2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大すると、急増する需要に対応するため採用ペースを加速させた。アルファベットの22年9月末時点の従業員数は18万6779人で、約3年前(19年12月末)の11万8899人から約6割増えていた。今回発表した削減対象人数は、アルファベットが22年7~9月期に増員した1万2765人とほぼ同じ規模になる。

物言う株主「20%削減すべき」

 同社の幹部はここ数カ月、「統制が取れた効率的な支出のためにベルトを締めていく」と述べていた。だが、同社はこれまで他のシリコンバレー企業のような大規模リストラ策を発表していなかった。