米インテルが数千人規模の人員削減を計画していると、ブルームバーグ通信やロイター通信が10月11日に報じた。低迷するパソコン市場に対処する必要があり、コストを削減するという。早ければ月内にレイオフ(一時解雇)を発表すると、事情に詳しい関係者は話している。
2016年以来の大規模削減か
関係者によると、販売・マーケティングなどの一部の部門で約20%の人員を削減する可能性があるという。インテルの決算資料によると、同社の2022年7月時点の従業員数は12万8200人。
インテルは主力のパソコン向け半導体事業で苦戦している。22年4~6月期の決算は、4億5400万ドル(約660億円)の最終赤字と、過去10年超で最大の減収を報告した。パソコン向け半導体を中心とする「クライアントコンピューティング」の売上高は、前年同期比25%減の76億6500万ドル(約1兆1200億円)だった。
この時の説明会で同社は、22年の売上高が事前予測を110億ドル(約1兆6100億円)下回るとする見通しを明らかにしていた。パット・ゲルシンガーCEO(最高経営責任者)は、「22年は中核分野の経費を削減し、下半期に追加の措置を講じる」と述べていた。
インテルが大規模な人員削減を実施したのは16年だった。このときは全従業員の11%に相当する約1万2000人を削減した。同社はその後も小規模な人員削減を実施した。19年にはスマートフォン向けモデム事業を米アップルに売却した。ブルームバーグによると、ドローン(小型無人機)事業など複数の部門も閉鎖した。22年に入ると、景気後退への懸念が高まったことから、多くのテクノロジー大手と同じく新規採用を凍結した。
ブルームバーグのアナリストによると、インテルは今回、250億~300億ドル(約3兆6600億~4兆3900億円)とみられる固定費の約10~15%を削減する見通しだという。