米アマゾン・ドット・コムでAI(人工知能)アシスタント「Alexa(アレクサ)」を担当する責任者は、同社が生成AIブームの中心的な位置にいると説明した。
米マイクロソフトや米グーグルなどが繰り広げるAI開発競争について、拍車をかけているのはアマゾンだとの認識を示したという。米CNBCが報じている。
「Alexaは“即座に利用可能な個人用AI”」
マイクロソフトが出資する米オープンAIは2022年11月に「GPT-3」と呼ぶ大規模言語モデル(LLM)「GPT-3」を取り入れた対話AI「Chat(チャット)GPT」を公開した。するとわずか2カ月で月間アクティブユーザー数が1億人に達した。こうしたなか、グーグルも自社の対話AI「Bard(バード)」を開発し、一般公開した。それ以来、テクノロジー大手は生成AIを自社のさまざまなサービスに導入し、顧客を引き付けようと開発競争を激化させている。
アマゾンも23年4月に「Amazon Bedrock(ベッドロック)」と呼ぶ基盤モデルを発表した。だが、これは同社のクラウドサービス部門、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が提供しており、顧客企業が独自の生成AIシステムを開発できるようにするものだ。
一方、アマゾンは14年からAlexa搭載のスマート端末「Echo(エコー)」シリーズを展開してきた。リビングルームや寝室などに置いた端末に話しかけるだけで、音楽再生や電子商取引(EC)の商品注文、気象情報やニュースの読み上げ、家電の操作といった機能を利用できる。
だが、CNBCは、「小説を書いたりソフトウエアコードを生成したりするなど洗練された機能を持つ生成AIの台頭は、Alexaなどのデジタルアシスタントの限界を浮き彫りにした」と報じている。Alexaは、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が構想した全知全能コンピューターのような機能をまだ実現していないという。