仕事の思考は子どもの遊びと同じ

 仕事で何かを考える際、なかなかアイデアが出ずに困った経験がある人も多いのではないだろうか。子どもの頃はすぐに「遊び」のアイデアが浮かんでいたのに、大人になるとなぜかそうはいかない。

 この現象について小川氏は、アメリカの思想家エリク・ホーンブルガー・エリクソンが唱えた遊びを三分類する思考をベースに、次のように考える。

もともとは子どもの遊びを念頭に置いたものですが、大人にも当てはまるといいます。大人もまた、仕事で何か考える際に、ある意味で遊びという活動をしているのです。

 子どもの頃のように、みんなでわいわいガヤガヤと楽しい雰囲気づくりをすることも大切。小川氏いわく、アイデア出し自体をゲームにして競争することで興奮につながり、面白いアイデアを出すことにプラスの影響がもたらされるという。

 いずれにしても根を詰めて会議室に籠るのではなく、何より楽しんでやるということが大切なのではないか。

哲学的観点での真のリーダーシップとは

 一方、リーダーともなると楽しいだけでは済まないのが現実。しかも、コンプライアンス意識が高まっている今の時代では厳しい指導もしづらく、リーダーシップを発揮しにくくなっている。

 しかし、本当にそれでいいのか?

 小川氏は、イタリアの思想家マキャヴェッリの論じた「君主論」を元に警鐘を鳴らす。

憎まれないように毅然とした態度を取る必要があります。その際、やはり狐の狡猾さが求められるのだと思います。相手から恨みを持たれないような内容や言い方に配慮し、そのうえで威厳を示すという事です。

「君主論」では、狡猾で罠にはまらない狐と強くて負け知らずの獅子をリーダーの模範としてたとえ、リーダーにはこの両方の能力が必要だという。