問われる「候補者の基礎学力」と「見識」

 この、元「都民ファースト」事務局長でもある小島敏郎弁護士らによる刑事告発のなかで暴露されている、情けない実例を一つ挙げておきます。

 小池候補が「公開した」という卒業証書には、学士号授与の日付が「1976年12月26日」と書いてある(ビデオの12分10秒近辺) のです。

 ところが、小池候補や、小池候補を擁護する「カイロ大学」名義の主張では今まで一貫して「1976年10月」に卒業と強弁していた。

 これは何を意味するか?

 小池氏自身を含め、この「紙っぺら」に記された内容を、一度もきちんと読んだことがないまま、「劇場型」イメージ発信を続けてきたのではないかと疑われます。

 こういう状況を「恥ずかしい」また「首長の器にあらず」と指摘されているわけです。

 小島弁護士らのチームは今回、アラビア語の飾り文字で記された、この「卒業証書」を「ダブルブラインド」以上の信頼水準で訳し、比較したと記者会見で述べていました。

 それを、小池氏自身を含め理解しない人があることを恐れ、補っておきます。

 2人の人に、独立して訳を依頼して、その内容を比較することを「二重盲検」ダブルブラインド・チェックと呼びます。

 3人以上になれば「多重盲検」マルチブラインドで、結果が一致すれば、翻訳の信頼制度は、より高まるでしょう。

 こうした手続きは先に記した「証拠の証拠力評価」などでも普通に用いられるもので、何らかの大学学部程度をまともに卒業していれば、チェックしておかなければ、危なくてやっていられない代物です。

 ところが、小池候補は「証明の証明」は「理不尽」などと劇場を演じて見せる。

 小学生向けの学芸会、あるいは小学5年程度を仮想ターゲットとする民放テレビ番組でお涙頂戴ドラマを作るのなら、これでごまかせるかもしれません。

 しかし、国内でも法廷やシリアスな国会審議では通用しませんし、まして、生き馬の目を抜く、油断も隙もない国際政治や外交の最前線では、こんな丸腰の無防備お遊戯は絶対に通用しない。

「基礎学力」レベルで、国際政治なら「負け」が確定する、無残な低水準にあることを指摘しておきます。

 都民にとっては「ファースト」ならぬ「ワースト」最低最悪の不運と言うしかありません。

 人物としての「見識」が低すぎます。