妥協なき競技者時代よりも厳しいトレーニング

 土壇場で自らを支えてくれるのは、どこまで追い込んだか、どこまで本気で打ち込んでくることができたか──という日々の中で向き合った妥協なきトレーニングと、積み重ねた努力に裏打ちされた自信しかない。

 そういう意味で、羽生さんは「プロとしてやっている以上、当然かもしれませんが、競技者時代とは比べものにならないくらいのトレーニングを積んでいます」と高い負荷の中でスケートと向き合い続けている。

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 スタミナ、フィジカル、敏捷性・・・、プロとしての肉体に必要な要素を高いレベルで培っていくには、相当な時間も要する。実際、羽生さんは2月19日の『RE_PRAY』横浜公演の中では「1日6時間くらいトレーニングをしています」と語っていた。

 さらには、最先端のトレーニングを取り入れるどん欲な姿勢は、肉体を使ったトレーニングだけにとどまらず、数多くの英語媒体の論文を読み込むことに時間を費やすことになっているという。

後編に続く

■羽生結弦さん、単独インタビュー後記
(前編)プロスケーター羽生結弦はなぜ、「単独公演」にこだわるのか…技術で競技者を超え、規格外の表現目指す超一流の境地
(後編)プロスケーター羽生結弦が明かす「単独公演」の舞台裏…2時間で10近いプログラム、「一人で駅伝を走っている感覚」